73.光の旅かげの旅

光の旅かげの旅 (絵本の部屋・しかけ絵本の本棚)

アン・ジョナス 訳・内海まお 1984.4 評論社

 

吾子ハマリ度 ★★★★☆
親の偏愛度  ★★★★☆
うちで活躍した時期 4歳~
白と黒のモノクロームで書かれた風景を旅していく、最後まで行くと、上下逆さにしたもうひとつの旅が待っている、という技巧絵本。白と黒が反転し、風景ががらりと変わるそのときの驚きが清新な一冊。「順読みと逆読みのふたつができる」という絵本は、他にも心当たりがあります。記憶に残っているものとしては、たとえば以下は代表例と言っていいのではと。

いってかえって星から星へ

これは、同じ絵を、文章によって「地球へ行く」と「地球から帰る」に反転して見せる、というもので、これもとても面白いのです(同じ上空からの俯瞰絵が、降りて近づいていく絵に見えたあと、帰りは浮上して遠ざかっていく絵に見える、という体験にも驚きがあります)。
というように、順と逆で読める本は他にもありますが、絵自体が上下逆さで別の絵に見える、というのは稀有に思います。思いつくことはできても、形にすることは難しい、という意味でも、一度は読んでおく価値のある絵本と思います。