65.もりのえほん

もりのえほん (安野光雅の絵本)

安野光雅 1981.2 福音館書店

 

吾子ハマリ度 ★★★★★
親の偏愛度  ★★★★☆
うちで活躍した時期 4歳~
「探し絵」には大きく2種類あって、ウォーリーをさがせやミッケ!のようにモノが無数にあるなかから目当てを探すタイプと、一見何気ない風景の中に隠れている騙し絵のようなタイプがあって、これは、うちでは後者の最高峰の一冊となっている絵本。各見開きに、森の風景が描かれているのですが、そのなかに、気づくとおわっと声が出るくらい巧妙に動物やらドクロといった図形が隠されている。吾子はこの絵本を見つけてから、しばらく夢中になっていた。その集中力は凄まじかった。理由の一つは、大人でも真剣になるほど難易度が高めであることだ。もちろんあからさまにちょっと変だなと思わせてすぐ気づけるものもあるが、頁に隠されたすべてのものを見つけるのはなかなかに容易ではない。そして理由のもうひとつは、見つけた瞬間のカタルシスがものすごいということがある。何度も見回している頁のなかに、ひとたび見つけると確かにそう見える図形が隠されていた、という幾度観ても見えなかったものが像を結んで見えるようになるという体験は、すごい達成感と、センスオブワンダーに近いような感動をもたらすのです。そしてなかなか見つからないからこそ、あるいは各見開きに大量に仕込まれているからこそ、覚えきるということもなく、何度でも見返すし、幾度でも遊び直すので、持続力が極めて高いという一冊になっている。

そして何より、どうやらまだ全部見つけきれていなさそうなのである。