82.まちがいまちにようこそ

まちがいまちにようこそ

斉藤倫・うきまる さく 及川 賢治 え 2019.10 小峰書店

 

吾子ハマリ度 ★★★★☆
親の偏愛度  ★★★★☆
うちで活躍した時期 3歳~
「言葉系」絵本で吾子の「ウケ」がいいという意味だと、やっぱり「ダジャレ・同音類音系」になるかと思います。この絵本は、「そば」があるべきところに「ソファ」があったり、「すし」があるべきところに「ぶし」がいたり、とまちがいばっかりのまちの話で、頁を開いてまちがいの絵をみるたびに「えー!?」「なんでえー!?」と嬉しそうに指さしてツッコんでおりました。言いまちがいを実際に絵にすると、という絵本は他にもありますが、この本はそのスケールが大きいというか、まちとして構成されているのがより面白いと思います。
他には、『いちにちだじゃれ』は入門編と言えるものに思いますし、『だじゃれ世界一周』は国名のダジャレなのですが、だいぶ苦しいものも勢いでやっちゃっているところに魅力のある一冊。ちょっと毛色が違いますが、『とっています』は、「とっています」という言葉の違う意味が次々に表現されていく、という同音異義語をモチーフにした絵本で、同じ音でも意味が変わる、という体験を一度通しておくにはいい一冊。

いちにちだじゃれ 【4歳 5歳からの絵本】 (PHPにこにこえほん) だじゃれ世界一周 とっています

 

音が似ている面白み、という意味では隣接して「濁音変身系」というジャンルもあるように思います。代表は、小さい子でも楽しめる分量の『こんとごん てんてんありなしのまき』や、やはりさすがの完成度の『がらすこつこつからすのこ』などが面白かった。濁音になると意味が変わるのに、吾子はよくくいついていました。

こん と ごん てんてん ありなしのまき (かがくのとも絵本) がらすこつこつ からすのこ―ことばあそびえほん

音が似ている、でも内容が変わる、というのが、文字に入る前の「言葉=音」である時代の遊びとしてこよなく面白く感じる、ということなのだなと。