52.ぬくぬく

ぬくぬく (こどものともコレクション2009)

天野祐吉 作 梶山俊夫 画 2009.2 福音館書店

 

吾子ハマリ度 ★★★★★
親の偏愛度  ★★★★★
うちで活躍した時期 0~3歳
寒がりの妖怪ぬくぬく、と女の子の交流の話。「ぬっくぬっく」という言葉がとにかくキャッチーで、幼児とキャッキャした記憶のある絵本。「つまはじきの存在が、ある出来事をきっかけに、子どもなり共同体の周縁の存在となかよくなって、さびしくなくなる」という物語も、絵本や昔話のテンプレートとしてありますね。この絵本が一線を画していいなあと思うのは、ぬくぬくという言葉と、児戯にも似た自在な画。女の子がほんとうに愛らしい。一度図書館で借りてはまって、忘れがたくて再度求めたところ、一年以上経った三歳児は全く覚えておらず、はまりもしなかった、という思い出もある本。

三歳、というのを境にして、それまでの記憶を一切失う、ということを目の当たりにした。我々みんな赤子の記憶がないというのはこういうことかと。脳に何が起こっているかわからないけど、あの頃の吾子は、「ぬくぬく」という響きにキャッキャしていた吾子はどこに行ったのか、とも思うのです。