51.木のうた

木のうた (海外秀作絵本)

イエラ・マリ 1977.12 ほるぷ出版

 

吾子ハマリ度 ★★★★★
親の偏愛度  ★★★★★
うちで活躍した時期 3~4歳
この本も、一時期うちで大ヒットしたメモリアルな絵本。言葉が一切なく、一本の木の冬から冬の一年が描かれている。そこには来りて去る生き物の姿もある、という内容。なのだが、この本がうちで大ヒットした理由は、まさに言葉が一切ないところにある。つまり、絵に合わせて読み手がどう読むかが自由であり、そこで相手の子供に合わせた読み方でクイズにしたり爆笑を取ったり、というカスタマイズの自由が豊かに開かれているところにある。うちでは、3歳の吾子に対して各頁の出来事を派手な擬音で表現することで、とまらないゲラゲラを引き起こし、「もう一回もう一回」を無限にひきおこした。あれからもう2年は経つが、余裕でどう読んでいたかをありありと思い出せるほどリピートした。擬音に触発されて、いくつかの生き物のかけあいなどのロールプレイへと広がってもいった。そんな開かれた自由が絵本というものの原点なのかもしれない、とさえ思わせる、シンプルこそ豊かである、という常套句を納得とともに思い出させる、そんな一冊だと思う。