11.ぐりとぐら

ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)

なかがわ りえこ 作 / おおむら ゆりこ 絵 1967.1 福音館書店

 

吾子ハマリ度 ★★★★☆

親の偏愛度  ★★★★☆

うちで活躍した時期 0~3歳

名作は名作その2。結局、できあがったカステラはうまそうなのだ。冒頭と調理中にあるラップパートも朗読での笑いどころのひとつ。絵本には、パンに代表される、ホットケーキ、カステラなどのパンづくり系という巨大勢力があるのを知ったのは、吾子と絵本を読み始めてしばらく経ってからだ。いや、このパン勢力は、ほんとうにすごい勢力を誇っている。なぜ絵本は米を炊かないのか、という問題提起だけしておきたい。おそらく、パンはパン屋という職業と紐づいているというのがひとつ(仕事系というこれまた巨大勢力と一挙両得しやすい)、もうひとつはこの絵本のパンケーキに代表される、パンの「物質としての愛らしさ」ではないかと思う。

あとこのシリーズに関しては、バディものであるというのが実はデカいと思っている。実は絵本界に意外に多くない気がしていて、ぱっとチリとチリリやバムとケロなども浮かんだけど、前者は個別というより一心同体感があり、後者は庇護者と非庇護者(疑似親子)感があり(どちらのシリーズも好きです)、対等で独立していて協力し合う、という関係は意外に狙い目な気がする。たとえば幼児がオルターエゴやイマジナリーフレンドを求める絵本は枚挙に暇がないが、じつはこのぐりとぐらのような対等なバディ(不可分なほどの友達)というのは、そういうものと満たす欲望は類似しているのではないかとも思う。