79.よるくまくるよ

よるくまくるよ (ことばあそびの絵本)

作●石津ちひろ 絵●藤枝リュウジ 2017.11 BL出版 

 

吾子ハマリ度 ★★★★☆
親の偏愛度  ★★★★☆
うちで活躍した時期 3歳~
3歳4歳ころ、言葉を覚えだしたり言葉という道具に興味を持ってきたときにぶつける「言葉系」絵本を、いくつかのジャンルに分類してみると、そのひとつに「回文系」がある。ピタゴラスイッチでは「らりらりら」という歌で、五文字の回文が紹介されるが、それよりも長く、しかもあまり聞いたことがない回文が紹介されたこの一冊にはびっくりして、以降、言葉あそび系の絵本における石津ちひろさんという名前を追うことになったのであった。回文系では、シリーズ書に『ぞうからかうぞ』もある。この2冊は、回文の完成度とともに、回文を味わうことにフォーカスしたストイックな構成で気に入っている。

ぞうからかうぞ (ことばあそびの絵本)

回文系では、古い本では『つつみがみっつ』という土屋耕一さん(とたざわしげるさん)の絵本も、シンプルながら「それもか!」と膝を打つ回文がたくさんで、絵も相まって、古典のような懐かしい味わいのある一冊。

つつみがみっつ

さらに、ちょっと苦笑するものも含めて、回文の可能性を追求しまくったものが並ぶのみならず、それにしりとりという要素も付加した、こう書かれてもよくわからない超絶回文絵本が、『さかさしりとり』である。ボリューム、回文の内容の破格さ、著者名まで林木林と回文である、いずれにおいても極北の一冊と思う。

さかさしりとり