93.ホネホネたんけんたい/どうぶつえん/すいぞくかん

ホネホネたんけんたい ホネホネどうぶつえん ホネホネすいぞくかん

監修・解説 西澤真樹子 しゃしん 大西成明 ぶん 松田 素子 2008.2~ アリス館

 

吾子ハマリ度 ★★★★★
親の偏愛度  ★★★☆☆
うちで活躍した時期 4歳~
骨が好きなのである、吾子は。動物好きな子供がみんな同じように好きなのかどうかわからない。でも吾子は骨格を見るのが好きで、骨格の絵を書き写したりもしていた。動物園や博物館のような場所で骨格が展示されているのを見るのも大好き。
といっても、骨好きはおそらく恐竜由来なのではないか、とは観察している。我々が実際に見ることができる恐竜は、すべて骨なのだから。福井の恐竜博物館は、つまり骨の展示だ(これは●●ラプトル、これは●●サウルス、と見たことない速度で歩き回っていた)。図集を見ながら、「ほら、みて、これなーんだ」と問うてきたり、「みて、モササウルスの骨ってこんなんなんだよ」と見せてきたり。図書館で借りたこの『恐竜骨格図集』が発端だった。いまはときめく小林快次さん監修の「新」版がある。

恐竜骨格図集 小林快次監修 新・恐竜骨格図集

親の私が見ると、「ああ、こっから指なんだ」みたいな発見があるけど、そこまで理解しているかはわからず、骨という線でカタチが構成されている造形美なんじゃないかなと推測している。でも、「ウサギの足ってこんななんだよ」とも言ってくるので、そんな機能的な部分も見始めているのかもしれない。

92.昆虫電車

昆虫電車

いとうみちろう 2022.3 永岡書店

 

吾子ハマリ度 ★★★★☆
親の偏愛度  ★★★☆☆
うちで活躍した時期 5歳~
昆虫を題材にした絵本は少なくない。でも、吾子がはまった絵本は意外に多くない。これは推測だけど、昆虫好きは絵本でなく図鑑や捕まえ方買い方ハウツーに行くのではないか。あとは擬態写真系(みつけてごらん的な)。
ですが、昆虫絵本でもこれは吾子が大いに気に入った一冊。考えるに、昆虫が好きというのは、第一に「形のカッコよさ」が好き、ということなのだと思う。その意味で、この「昆虫が乗り物になっている」という絵本の「絵」は、昆虫の形のカッコよさを堪能できる感動的なすごい絵で、それが決め手だったのだと思う。
それにしても、「昆虫が乗り物になって、人がそれに乗る」という、言葉にするとなんじゃそりゃなものが、これほどに説得力をもって形になっているのを見るにつけ、絵の力というのはものすごいなと、こうした絵本に出会うと思うのであります。(余談だけど、絵本の絵の力については、食べ物の絵本でよく思いますね)
他の昆虫テーマの絵本でよかったのは、『むしたちのうんどうかい』『ムシてつ』あたり。

むしたちのうんどうかい (絵本・こどものひろば)   ムシてつ (コドモエのえほん)

91.ポケットモンスター サン&ムーン ポケモン全国大図鑑/ガラル図鑑

ポケットモンスター サン&ムーン ポケモン全国大図鑑 (小学館のカラーワイド) ポケットモンスター ガラル図鑑 (小学館のカラーワイド)

2017.5/2020.7 小学館

 

吾子ハマリ度 ★★★★★
親の偏愛度  ★★★★★
うちで活躍した時期 5歳~
動物・昆虫ブームと同期してはまり始めたのが、そう、ポケモンであります。つまり「面白い形をした生き物がたくさんいる」というニーズにばちこーんとはまるコンテンツなんだなポケモンって。
ゲームには手を出していないので、一匹ごとにわざなども説明している小型の上下巻の図鑑ではなく、この一覧性のある大きなムックの方がぴったりで。(早くパルデア図鑑が出てほしいな、と待っている)
吾子は、いつの間にかポケモンの名前をかなり覚えているし、親子で最初から見開きで一番好きなポケモンを言い合って読んでいったりもしたし、何がどう進化するかクイズを出してきたり、この図鑑を開いてポケモンの絵を描いたりもして。汎用性がものすごく高く、この2冊でこれまでのポケモンが大半載っているゆえ(進化するポケモンはその流れも一括で載っているのでわかりやすい)、見ていて飽きない図鑑、という意味で、うちではもう相当に楽しみ倒している2冊と言えます。

親の私もポケモンを通ってこずで、この機会に吾子と一緒に入門し、なるほどよくできてるなあ面白いなあ、と今更楽しんでいる次第。

90.ざんねんないきもの事典

おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典

今泉忠明監修 下間文恵・徳永明子・かわむらふゆみ絵 2016.5 高橋書店

 

吾子ハマリ度 ★★★★★
親の偏愛度  ★★★☆☆
うちで活躍した時期 4歳~
吾子の興味の変遷は、車や作業車(トミカ)→電車(シンカリオン)→恐竜(恐竜キング)ときて、恐竜から動物・昆虫へと広がっていった(そして動物つながりでアレにいく・次回)。周りの子では、一途に電車好きな子などもいるなかで、ロイヤルストレートフラッシュみたいに全部やってきたな、と思うのだが、いまは動物・昆虫が続いており、いまんとこ動物学者とか動物園の人になりたいようだ。で、動物・昆虫期に入ったときに、やっぱりくいついたのがこのシリーズであり、最初はアニメにはまり、書店で本を見つけては買う時期が到来した。いきものの残念な生態を面白おかしく紹介するこのシリーズは、やっぱり大人でも面白い良くできたシリーズで。そして、柳の下のどじょうではないが、書店ではこの本の周りに似たような類書が雨後の筍のようにいっぱいありまして、吾子の興味も当然のごとくそちらに広がっていった。でも、このシリーズによって近年切り拓かれたこのジャンル本が、子どもを絵本から本に向かわせる入口の作用もしているのではないかと考えると、親のニーズも汲んでいる、やっぱりよくできたシリーズだなあと思う。
吾子が周辺でこのシリーズ以上にはまったのは、『わけあって絶滅しました』シリーズで、絶滅をテーマにしたことで古生物を取り上げてくれているのが、当然まだ恐竜大好きな吾子をひきつけてやまなかった。そういえば、一時期配信サービスで「もうひとつのどうぶつえん」という、絶滅動物を紹介したクレイアニメ?があって、吾子が大好きだったんだけど観られなくなって、あれ、もう一度見たいなあ。

わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑

そして、その後に待ち受けるのが、おそらくこの『最強王図鑑』シリーズなんでしょうね。これもフィギュア含めて、書店の面陳でだいぶ幅を利かせていて、きっと売れているんだろうなあ思うわけです。吾子も最強動物の戦いに胸躍らせておりましたよ。何を根拠に勝敗を決めてるんだ、と思ったりもするのですが。

動物最強王図鑑

89.世界の恐竜MAP 驚異の古生物をさがせ!

世界の恐竜MAP 驚異の古生物をさがせ!

文:土屋 健 絵:ActoW・阿部伸二 監修:芝原暁彦 2016.8 エクスナレッジ

 

吾子ハマリ度 ★★★★★
親の偏愛度  ★★★★☆
うちで活躍した時期 4歳~
恐竜ブームが吾子に訪れていたときに、各出版社の事典の「恐竜」を買い求めて楽しんでおりましたが、そのなかで、この本はちょっと別角度のものとして大いにハマった一冊。ページごとに国のマップが描かれ、そこで出土した古生物がプロットされている、という構成。なので、当然有名な恐竜はそこここに何度も登場するのだけど、何が面白いかというと、恐竜というよりはそれ以外の古生物も描かれているところに、この本の最大の魅力がある。アンモナイト三葉虫的なものに留まらず、ウミユリ的なものまで、初めて見る奇抜な形状の古生物がたくさん載っているのがとにかく面白い。うちではこの本によって、「マーレロモルフ類」なるものを知り、一時期流行したのです。

大型本で、一緒に眺めながら「これすごい形じゃない?」「ここにもイグアノドンが」と楽しむことができる。それぞれの生物の一言解説・うんちくみたいなものが書かれているのも「へーそうなんだー」と会話のタネになる。

88.しらべるちがいのずかん

しらべるちがいのずかん

文・おかべたかし 写真・やまでたかし 2021.8 東京書籍

 

吾子ハマリ度 ★★★★★
親の偏愛度  ★★★★☆
うちで活躍した時期 5歳~
これも、吾子が食いつくように見ていた本。「生たまごとゆでたまご」見分け方は? 「おいしいミカン」の見分け方は? イルカとサメの違いは? 日本の雪だるまとアメリカの雪だるまの違いは? といった、似ているものの違いがたくさん紹介されている。これが、大人も「そうなんだ」と唸ってしまうものだらけなのです。吾子は食い入るように何度も開いて、その後何をしたかというと、「関西と関東で、いなりずしはどう違うか知ってる?」と、親に問いかけるのです。そして「それはね、こうこうこうなんだよ」と教えてあげる、というムーブをする。そういうことをしたい時期があるんだなあ、と付き合ったのを覚えている(というか、いまも続いている)。それにしても、子どもっちゅうのは面白いと感じたものは本当によく覚えるものだな、と感嘆したのも、こういう本によって教えてもらったことのひとつかもしれない。
類書として、おかべたかし先生による『目でみることばのずかん』はかなり近しいコンセプトの本ですし、似ているタイトルなんですが『目でみることば』は「語源を写真で紹介する」というシリーズ。「互角」とか「引っ張りだこ」という言葉の語源が写真で紹介されていて、私は「へー」とすごく楽しいんだけど、子どもがその言葉自体がまだ耳慣れないため、このシリーズはあんまりだった、という記憶。おかべたかし先生は、他にも漢字の元を可視化するとか、「言葉をビジュアル化する」というユニークな言葉系の本を送り出してくれる、結構唯一無二の人ではないかと思う。

目でみることばのずかん 目でみることば

 

87.大ピンチずかん

大ピンチずかん

鈴木のりたけ 2022.2 小学館 

 

吾子ハマリ度 ★★★★★
親の偏愛度  ★★★★★
うちで活躍した時期 5歳~
最近の我が家の大ヒット、でいうと外せない一冊。「風呂にお湯が入っていない 大ピンチレベル50」みたいに、日常のピンチとそのレベルが集められた一冊。レベルの低い順から、徐々にレベルの高いピンチが登場する。あるあるこんなピンチ、これもっとレベル高いだろ~みたいに盛り上がれる楽しい一冊。みんなで一緒に、世代が違っても一緒に読めるのもこの絵本のすごい美点だと思う。一ページ一ネタだったり、フォーマットが決まっていたり、表紙裏が金だったり、何気に図鑑っぽさをブックデザインでしっかりやっているのもすごくいい。
これは、あるあるネタ」の新しい大鉱脈だ、と思ったのです。何冊も続けられるくらいのものすごいパッケージだと。なんて思っていたら、絵本大賞みたいなものに次々輝き、そうだろうな、みんなやっぱり面白かったんだな、と思った次第。
これも募集とかしたら面白いコンテストになりそう、それくらいよくできたパッケージ。